右図の様な一般的な位置決めによる方法では、
①Z軸上昇 → ②Z軸位置決め完了 → ③X軸前進 → ④X軸位置決め完了→ ⑤Y軸前進 →⑥Y軸位置決め完了 → ⑦Z軸下降 → ⑧Z軸位置決め完了
位置決め運転の場合では各軸毎に減速停止と位置決め完了確認をおこなうため、かなりまどろっこしい運転となります。
上図の位置決め運転方法では、生産サイクルが厳しい状況には対応仕切れなくなります。
そこで右図では高速化する第一手段として、各軸の位置決め完了確認を待たずに設定許容範囲内に到達すれば次の位置決め指令を指令することとします。
右図パス制御方式では、許容範囲設定を広く取れば早くはなりますが、その反面衝突する危険性が高くなります。
さらに短所としては、速度が速い場合と遅い場合とでは軌跡が異なるため、衝突ギリギリの設定はできません。
電子カム制御方式では、前もって各軸毎のの速度カーブを前もって生成しておき、その生成された速度カーブ仮想時間軸により運転をおこなう(下図の右グラフ)上のパス制御方式と下図の電子カム制御方式とでは、同一速度においては軌跡及びサイクルタイムは変わりません。
電子カム制御方式の大きな特徴は、運転速度を変更しても同じ軌跡を描きます。
つまり衝突ギリギリのパターンを作成して、遅いオーバライド速度にて丁寧に軌跡検証をおこない、衝突がないことを確認してから、最高のオーバライド速度に上げることとします。
衝突ギリギリの設定としても、安心して速い速度が維持できるため最もサイクルタイムは短くできます。
電子カム制御方式は、容易に設計構築しにくい短所がありますが、生産ライン(ハンドリングライン)を最も最適化した速い速度にて運転することができます。
電子カム制御方法の詳細は、「新規開発した電子カム同期制御」をご覧下さい。
詳細に関しては,「依頼をご検討の方へ・電子カム制御のシステム構成」をご覧下さい