電子カム制御と言っても一般的には色々な制御方法あると思います。
ここでご紹介する考え方は工作機械を精度良く、かつ理想的に、わかりやすく制御する一つの方法です。
個々のアクチュエーターの動作関係が簡単であればどのような制御言語を使用しても難しくはありませんが、複数軸のサーボモータの同期運転と電磁弁等の複合的な制御行うには、NC命令を組み合わせて設計するのが一般的です。
例えば、①PLCを使用してラダー回路にて動作パターンを設計する、②NC命令(Gコードを含む)を使用する、等が汎用的にあります。
汎用的な手法で満足できる結果が十分表現されているのであれば、あえて電子カム化の必要性はないと思います。
下図は、電子カム入力方法の概念図です。
一番上段の①グラフ目盛りが主時間軸であり、この主時間目盛りに対して②~⑥のサーボ軸の動作及び⑥~⑦の電磁弁動作を割当ます。
下図は電子カムでの運転例です。
ここまでは一般的な位置決め動作とあまり変わりませんが、下図は電子カムだからこそ可能な制御です。
時間軸の1.5sec付近と4.5sec付近では時間軸を一時停止させています。X軸位置はX(t)の関数で表され、Y軸位置はY(t)の関数で表されるため、時間(t)が止まれば必然的にX-Y位置はその位置を維持します。
この様に電子カム制御では時間軸を制御することにより次の様なメリットがあります。
設計されたタイムチャートを現場で厳格に運転するには、
①サーボモータの位置偏差量を少なくする、②位置決め整定時間の短縮、③電磁弁動作のシリンダーセンサーの動作時間の一元化が等が必用になります。
つまりこれらの作業をきちっと行うことにより、運転中の機械エラー検出が更に容易になります。
本説明は弊社システムの拡販を目的として一般論を記載作成しているため、技術参考書としては抜けている部分及び曖昧な表現のみで完結している部分もあります。
電子カム生成にあたり、弊社では2種類のシステム構成があります。
①タッチパネルを使用した、機械式カムの置き換え構成。
②Pc+19インチタッチモニターを使用した、高機能な構成。
どちらも制御装置のベースシステムは同じです。
本説明は機械カム式よりの置き換えを想定した説明となりますので、上記①方式の説明を致します。